Photo by Timothy Greenfield-Sanders.
五嶋みどり (ヴァイオリン) MIDORI, violin
天才少女として11歳でニューヨーク・フィルと協演した衝撃的なデビューから40年余、稀有な演奏技術に裏付けられた品位と勇気が五嶋みどりの真骨頂である。バーンスタイン、アバド、メータ、小澤、ラトル、ヤンソンス、エッシェンバッハ、ヤルヴィ、スターン、ズッカーマン、ヨーヨー・マ、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、パリ管、コンセルトヘボウ管らを筆頭とする世界の著名な音楽家と共演を重ね、巨匠の域に入った今も尚、たゆまぬ研鑽を積み、将来を見据えた委嘱プロジェクトや演奏機会の少ないレパートリーの紹介、現代曲へのアプローチなど、真に今日のクラシック音楽界を牽引するヴァイオリニストである。
活動の場はステージ上にとどまらず、今やMIDORIの代名詞となっている社会活動は、非営利団体「Midori&Friends」(ニューヨーク)および認定NPO法人ミュージック・シェアリング(旧みどり教育財団東京オフィス)の設立(1992年)に始まり、米国のPiP(ピップ/Partners in Performance)やORP(オープ/Orchestra Residencies Program)へと展開し、現代の音楽家のロールモデルを体現するだけでなく、第一人者として次代の人材育成にも力を注ぐ。特にミュージック・シェアリングのプログラムの一つICEP(アイセップ/International Community Engagement Program)では、オーディションで選ばれた若手音楽家と定期的にアジア-日本を訪問し、恵まれない環境下におかれたあらゆる人々に“本物の音楽”を届け続けている。ゆるぎない信念と柔軟な発想に基づく、常に社会のニーズを先取りした活動を積極的に推し進め、ヴァイオリニスト、音楽家、芸術家以前に一人の人間のあるべき姿を追求する。
愛器はグァルネリ・デル・ジェス「エクス・フーベルマン」(1734年製)。
長きにわたる音楽を通じた国際交流や社会貢献が高い評価を得て、2007年には国連ピース・メッセンジャーに任命され、貧困、平和、環境、教育、女性問題など国連が掲げる多種多様な課題を克服すべく、現在に至る。
国際的な受賞歴も数多く、クリスタル賞(ダボス会議)に加え、米国ケネディ・センターより「名誉賞」を受賞。
現在、米国カーティス音楽院で教鞭を執るほか、ハイフェッツ・チェアを務めた南カリフォルニア大学ソーントン音楽学校をはじめ世界の主要音楽院や夏期講習で後進の指導にも余念がない。
五嶋みどりが制作・出演した短編アニメーション『Musical Journeys with Midori, Mack and Cheese』のシリーズの一部はNHK Worldにて全世界に放送され、2024年6月にはそのうちの『MIDORIとチーズの音楽日記』が、ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2024で上映される。
録音はソニー・クラシカル、ONDINE、ONYX、ワーナー・クラシックスよりリリース。「パウル・ヒンデミット作品集」(ソリストで参加)は第56回グラミー賞最優秀クラシック・コンペンディアム賞(2013年)を受賞。バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」全集はACCENTUSからDVDがリリース。40周年記念にリリースした「ベートーヴェン・ソナタ全集(ピアノ:ジャン=イヴ・ティボーデ)」は、満を持した集大成録音と言われている。
公式サイト https://www.midori-violin.com
Facebook https://www.facebook.com/GoToMidori
ミュージック・シェアリング http://www.musicsharing.jp/
(2024年5月現在)